▲TOP  > 資料室  > スポーツ栄養学  > 自転車選手のウエイトコントロールと食事<減量編>
     
   
  自転車選手にとって、ウエイトコントロールはパフォーマンスに影響を及ぼす大切な要因になります。ウエイトコントロールを考える場合、単に体重の増減だけをみていくのではなく、体脂肪量と除脂肪体重(脂肪以外の筋肉や骨などの組織)をあわせて考えていく必要があります。自転車短距離選手の場合、短時間で爆発的な力をだすという競技特性上、おもりにしかならない体脂肪量を減らして、力をだすためのエンジン役である除脂肪体重を増やすことが体作りの基本になります。
体脂肪量の測定方法にはいろいろありますが、ナショナルチームでは皮脂厚法をとりいれています。肩甲骨下部、上腕2頭筋、上腕3頭筋、腸骨陵、大腿前、下腿を測定し、この6箇所を足した値が男子で40?以下、女子で65?以下になることを目標としています。
自宅等で測定する場合には体脂肪計付の体重計が一般的ですが、この時注意したいのは同じ時刻に同じ機械で測定した値を観察していくことが大切です。
ウエイトコントロールには増量と減量がありますが、ここでは減量について食事面からのお話しを進めます。コンディションを崩さずに減量を行うには、トレーニング状況と合わせて監督、コーチなどと相談しながら無理のない食事計画を立てて、正しい減量方法をとらなくてはなりません。
1.減量の基本
 減量は体組成のうち体脂肪量を減少させ、除脂肪体重は維持もしくは増加させるのが本来の目的です。
では、具体的にはどのようにしていけばいいのでしょうか?
(1)減量期間・目標の設定
 まず減量する時期と減量期間と目標減量体重を設定します。生理的に支障をきたさないためには、現体重の5%以内にとどめるのが理想的です。減量時期はトレーニングの期分けを考慮する必要があります。基本的は試合前などコンディショニング調整が大切な時期などには行いません。減量期間は何キロ減量するかによっても変ってきますが、多くても1週間で1kg程度の減量幅にします。
(2)マイナスエネルギー量の設定
 減量期間と目標が設定されたら、1日にマイナスとするエネルギー量を設定します。例えば1ヶ月で2kgの減量を実施するとします。体脂肪1kg=約7,000Kcalですから、14,000Kcalを30日間でマイナスにしなくてはなりませんから1日あたりのマイナスエネルギー量は、14,000÷30日=466Kcalとなります。
(3)減量時の食事の考え方
 摂取エネルギーよりも消費エネルギーをマイナスすることになります。上記の例ですと466Kcalマイナスにしていくわけです。しかし、この数値はあくまでも計算上のことで、実際には選手の体重、体脂肪、コンディション等をみながらさじ加減をしていくことになります。そのためには、まず選手の食事調査等を行い、選手の食事の現状を知り、そのうえで何を減らしていくか考えます。やみくもに食事量を控えてしまうと、必要な栄養素が摂取しきれず、体調を崩しやすくなり、競技力を低下させてしまう恐れがあります。トレーニング状況と合わせ、監督、コーチ、などとも相談しながら食事計画を立て、無理な減量はできる限り避けるようにします。以下に減量時の食事のポイントをまとめてみました。
 
1)食事の基本
食事の基本パターンは、減量中でも主食(ごはん、パン、麺類など)+主菜(肉、魚、卵、大豆製品のおかず)+副菜(野菜、海藻類のおかず)+プラスα(果物、乳製品)を揃えるようにします。その中で以下2)〜4)のものを控えるようにします。なぜなら、それらはエネルギーは高いですが、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素をほとんど含んでいないからです。

2)アルコール類を控える
 アルコールは1gで7Kcalのエネルギー量です。また、他の栄養素をほとんど含まないので「エンプティ(空っぽの)食品」と呼ばれています。減量中に少ない摂取エネルギー量で、必要な栄養素をとらなくてはならない時には効率の悪い食品なのです。

3)お菓子、ジュース類を控える
 これらには、糖分や脂肪分が多く含まれており、太りやすい食品です。食べ過ぎないように注意しなくてはなりません。しかし、減量中はとかくストレスがたまりがちです。時には心理的なストレス防止に甘い物をとりいれてもいいでしょう。この時は、ゼリー類や、さつま芋を使ったお菓子(スイートポテト)などがおすすめです。

4) 脂質を控える
 炭水化物、たんぱく質は1gで4Kcalのエネルギー量ですが、脂質は1gで9Kcalですから、脂質を控えることを心がけます。

1.脂肪分の少ない素材を選びましょう
 同じ100gの肉、魚でも脂肪分の少ないものを選んでください。図1に100gあたりのエネルギ−量の違いを示しました。エネルギーの高い物ほど脂肪分が多いことになりますから、減量中は脂質の少ない食材を選ぶようにします。

2.調理法の工夫
 油を控える工夫を図2に示しました。ちょっとした工夫で、エネルギー量にかなりの違いが生じます。

3.ファーストフードに注意
 ハンバーガー、フライドポテトなどは、かなり油を多く含んでいます。減量中は控えておいたほうがぶなんです。

5)野菜、海藻類、きのこ類を積極的に取り入れる
 これらの食品は抵エネルギーでビタミン、ミネラルが豊富です。また、量もたっぷり使えますので、減量時の食事の「かさ」を増すこともできます。
 
さあ、正しい減量知識と強い意志をもって、減量にトライしてください。
       
     
       


 
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